今日も、英語で御書を読んでいこうと思います。
本日の御書は、「兄弟抄」の1文です。
原文
此の法門を申すには必ず魔出来すべし、魔競はずは正法と知るべからず。
兄弟抄
第五の巻に云く、
「行解既に勤めぬれば、三障四魔紛然として競い起る乃至、随う可らず、畏る可らず。
之に従えば将に人をして悪道に向わしむ。
之を畏れば正法を修することを妨ぐ」等云云。
此の釈は日蓮が身に当たるのみならず、門家の明鏡なり。
謹んで習い伝えて未来の資糧とせよ。
この法門を広めていけば、必ず魔が現れます。
魔が競い起こらなければ、正法ではないと思いなさい。
『摩訂止観』の第5の巻には、
「修行が進み、理解が深まれば、三障四魔が入り乱れて競い起こる。(中略) だが、これに随ってはいけません。畏れてはいけません。
これに随えば、 人を悪道に陥ってしまう。
これを畏れるならば、正法を修行することの妨げとなってしまいます。」
等と、書かれています。
この釈は、日蓮の身に当てはまるばかりではなく、日蓮門下の明鏡でもあります。
謹んで習い伝えて、未来にわたる信心の糧とすべきです。
英文
If you propagate it, devils will arise without fail.
If they did not, there would be no way of knowing that this is the correct teaching.
One passage from the same volume reads:
“As practice progresses and understanding grows,
the three obstacles and four devils emerge in confusing form, vying with one another to interfere . . .
One should be neither influenced nor frightened by them.
If one falls under their influence,
one will be led into the paths of evil.
If one is frightened by them,
one will be prevented from practicing the correct teaching.”This statement not only applies to me, but also is a guide for my followers.
Reverently make this teaching your own, and transmit it as an axiom of faith for future generations.
Letter to the Brothers
“propagate” には、「(動物など)を繁殖させる」という意味とともに、
「(情報) を広める」という意味もあります。
“One passage from the same volume” とありますが、
これは、この文章の前に、既に摩訶止観が登場していたため、このような表現になっています。
ちなみに、”passage” は、「通行」という意味もありますが、
「一節」や「一句」なども意味もあります。
“the three obstacles and four devils” が「三障四魔」を表しています。
“obstacle” には、「障害物」というイメージがあるので、そのままの訳ですね!
“confusion” が、「混乱」というイメージですが、
“in confusing form” が、「紛然として」として表現されていると推測できます。
“vying” は、もともとは “vie” で、「競う」や「張り合う」の意味があります。
なので、”vying with one another to interfere” が、「競い起る」を表現しています。
“axiom” は、「原理」や「公理」などの意味があり、
“principle” と同義です。
原文の「未来の資糧とせよ」 は、意味が漠然としていますが、
英文 “transmit it as an axiom of faith for future generations” を読むことで、
未来に伝える事が一番だと分かりますね!