今日も、英語で御書を読んでいこうと思います。
本日の御書は、「上野殿御返事」の1文です。
原文
願くは我が弟子等、大願ををこせ。
上野殿御返事
去年去去年のやくびやうに死にし人人のかずにも入らず、
又当時・蒙古のせめに、まぬかるべしともみへず。
とにかくに死は一定なり。
其の時のなげきは、たうじのごとし、をなじくは、かりにも法華経のゆへに命をすてよ。
つゆを大海にあつらへ・ちりを大地にうづむとをもへ。
法華経の第三に云く「願くは此の功徳を以て普く一切に及ぼし、我等と衆生と皆共に仏道を成ぜん」云云
願わくは、わが弟子たちよ、大願を起こしなさい。
(あなたたちは) 昨年、一昨年に流行した疫病で亡くなった人々の数には入らなかった。
また今、蒙古が攻めてきたら、死を免れることができるとも思えない。
ともかくも死は避けることができない。
その時の嘆きは、現在の迫害で死ぬ嘆きと変わらない。
同じ死であれば、かりにも法華経のためにつゆちり命を捨てなさい。
それこそ露を大海に入れ、塵を大地に埋めるようなものであると思いなさい。
法華経第3の巻には「願わくは、この功徳をもって、あまねく一切に及ぼし、我らと衆生と、皆ともに仏道を成ぜん」と説かれています。
英文
My wish is that all my disciples make a great vow.
We are very fortunate to be alive after the widespread epidemics that occurred last year and the year before.
But now with the impending Mongol invasion, it appears that few will survive.
In the end, no one can escape death.
The sufferings at that time will be exactly like what we are experiencing now.
Since death is the same in either case, you should be willing to offer your life for the Lotus Sutra.
Think of this offering as a drop of dew rejoining the ocean, or a speck of dust returning to the earth.
A passage from the third volume of the Lotus Sutra reads,
The Dragon Gate
“We beg that the merit gained through these gifts may be spread far and wide to everyone, so that we and other living beings all together may attain the Buddha way.”
“vow” は、「誓い」や「誓約」の意味があります。
“epidemics” は、「(伝染病) の流行」という意味があります。
“impending” は、「差し迫った」や「当に起ころうとしている」という意味の形容詞です。
“invation” には「侵略」や「侵攻」という意味があります。
“a few will survive” であれば、「少しは生き残るであろう」という意味になりますが、
“few will survive” の場合、「ほとんど生き残る者はいないであろう」になります。
“dew” は、「雫」の意味です。
ちなみに、発音は、”due” と同じです。
“a speck of A” で、「わずかなA」や「微量のA」と訳します。
“passage” は、「一節」や「一句」という意味合いがあります。
“merit” は、「長所」や「美点」や「価値」などの意味合いがありますが、
ここでは、「功徳」の意味合いで使われています。
「此の功徳を以て普く一切に及ぼし」の「及ぼし」の意味がイメージできなかったのですが、
英文の”may be spread far and wide to everyone” で、イメージできるようになりました。